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■私が思っていること  
   
感情抑制の効かない、『ヒト世界』

イ. 民族紛争

 毎日のニュースメディアに触れれば明らかだが、資本主義社会と社会主義社会の対立軸の崩壊、所謂冷戦の終焉後、多くの人々が世界平和をと期待したのだが、世界の至る所で醜い争いが発生し、そして、多くの地域でその火種が絶えることはなく燻ぶり続けている。
 「世界平和」が、人類全体の至上願望であるはずが、「人同士が殺し合う様」は、正に、「動物社会の弱肉強食社会」と変わることがないが、「ヒト」であるからこそ持つことができうる「理性」を欠如させているのではないだろうか。
 「相手の経てきた歴史」や「相手の現在の立場」さえ理解すれば、「相手を憎む感情」など簡単に捨て去ることができるはずなのに、ただ「我が利益」を優先させるために「相手をねじ伏せる」やり方は、「動物社会の倫理」に他ならないのである。

ロ. 宗教
 宗教によって異なる教義が制定され、別の神々が名を変えて祀り上げられているが、「ヒトの心の拠り所」としての宗教が果たす役割は大きい。そして、本来である「人類の魂の救済」のための役割は、ある程度は、全世界で果たしていることに疑いはない。
 しかし、一方で、「人類共存共栄」の為の足枷になっていることも見逃せない。自らの宗教を盾にしての「他人の思想を受け容れない」姿勢や、「自らが崇拝する神こそ唯一無二である」という狂信性が、「他の人」を排除してしまうのである。
 だから、「手前勝手な宗教観」が、「個人の欲求を満たす為だけの道具」として用いられることになれば、必然的に、危険性が世界中に蔓延することは、明らかなはずである。

ハ.テロ、戦争  

 「自らの信念、思想以外は認められない」という考え方の下、「だから、その信念、思想を、どんな手段を用いても、押し付けよう」とする姿勢が、戦争やテロを引き起こさせているのではないだろうか。
 また、「相手へのいたわりの気持ち」と「相手の事情に対する理解」を持つまでの、過程と時間的猶予を放棄してしまい、直ちに「自らの信念、思想」を強要することによって、諍いを生んでいるようである。
 しかし、「感情抑制の効かない」単なる「喧嘩」で終わらず「人を殺害してまでも、相手に自らの思想信条を押さえ付ける」やり方が、いつまでも絶えないのは不思議と言うしかない。

 
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