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■私が思っていること  
   
少年少女たちが抜け出たい問題

イ.不登校  

 不登校児童、生徒の年毎の増加は教育現場の大問題であるが、様々な対策が長い期間講じられてきたにも拘わらず、取られる対策はどれもこれも功を奏さず、一向にその数字が減る気配はない。
 そして、「学校を開放して地域ぐるみで教育を施す」、「カウンセラーを配置して児童・生徒の悩みの相談を受けて解決の糸口とする」、「教育課程の見直しを行ない児童・生徒間の学力格差を無くす」、「フリースクールを各所に設置して治療に当たる」、「週休二日制を採用してゆとり教育に取り組む」、等々と、一見真剣に対策が講じられてきたけれども、問題解決の糸口さえ見出せていない。
 それは、不登校の問題を抱える少年少女たちが、「学校レベル、自治体レベル、国レベルで、対処法的に対策がなされ続けても、それらが『高齢者問題以上の問題』だと捉えられていない」ことを、見破って充分に承知している、からである。
 つまり、彼らは、親を初め、大人のことを完全に信用しなくなってきており、「信用できない大人に従うこと」を拒否し続けていて、「不登校の問題」を通して、「大人たちよ、俺たちの悩み、わかってくれよ。」と訴え掛けているのである。

ロ.引きこもり  

 引きこもりの問題は、不登校の場合と比較して、「『義務教育』を方便にして、『学校に行かせること』を切っ掛けにした対応が講じられない」から、発見された時には既に犯罪若しくは自傷行為等に発展してしまっていて、その対応が手遅れになるケースも少なくない。
 だから、「義務教育以降」での引きこもりは、不登校の問題よりも、その「問題性の早期発見と対応方法が困難で重要」だと、もっと強く認識されなくてはならないかも知れない。 
 つまり、彼らに援助の手を差し延べたくとも、不登校の場合は学校との繋がりをもっているために発見が可能であり対応の糸口を掴むことができるが、学校に所属していなければ、充分な働きをしているとも思えないが、警察、病院、保健所、等の公的機関に託さざるを得ない為、その役割を果たすことはできないので、 その「問題性の早期発見と対応方法が困難で重要」なのである。
 当然、これらの公的機関が問題を発見した時には手遅れになっている場合も多く、精神医療面からの治療が必要な場合を除けば、何もなされないままに放置されていることが普通である。

ハ.非行・犯罪  

 多くの少年少女たちは、「今置かれた自身の立場」や「過去の自分の生きてきた歴史」、更には「成長過程におけるつまずき」等が原因で、心と体をバランス良くコントロールすることができなくなってしまう。
 心と体をバランス良くコントロールすることができなくなるとパニックに陥ってしまうが、誰でも失ったコントロールを元に戻そうとして、ある者は「内に籠ってそのマイナス要因から逃避」し、またある者は「外部に向けて、マイナス要因を解決」しようとする。
 そんな中で、「外部に向けて、暴力的に解決」しようとする者が、「罪悪感のない殺人」、「快楽のみを求めての麻薬常習」、「羞恥を捨て去った売・買春」、等の犯罪に走ってしまうのである。
 そして、万引き、喫煙、飲酒、不良交遊、夜間の徘徊等は、今や少年犯罪とは言えなくなってきており、益々犯罪の「低年齢化と深刻化」が進んでいることは、毎日の新聞紙上を賑わしていることからも明らかである。

 
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